みかん姫のみかん箱

どこかの知らない誰かの何気ないメモが好きな方(それはわたし)へ

不老不死の作り方を妄想する

自分のコピーを作る

ChatGPT。最近、大規模言語モデルの話題で持ちきりだ。AIに話しかけると、自然な言葉で返してくれる。悩みごとの相談や料理の仕方、プログラムの解説や指導まで可能だ。完璧とは言えず、めちゃくちゃな作り話が返ってくることもあるが、作り物とは言えない領域に到達しようとしている。

openai.com

心の理論まで獲得している、という話まである。

gigazine.net

この言語モデルをもとにして、例えば自分が長年書き連ねたブログを学習させると、まるで自分自身が答えているかのような、私の分身となるチャットAIが完成する。文章で描かれる世界に限られているとはいえ、自分のコピーがそこに誕生するわけである。

現時点でできあがるのは、ものまね芸人のものまねスキルの部分だけではあるけれど、この進歩は驚異的だ。

自分と同化する

大規模言語モデルは、自分に似た何かを生成するだけで、自分自身が作れるわけではない。あらかじめ自分から発生された文章を学習することによって、会話ができるようにしているわけだから、精巧に作ることができたとしてもそれは過去の自分でしかない。

では、今を生きる自分をコピーしようと思ったらどうしたらよいだろう。常に自分とともにいて、常に学習が走るようにしておけばいいのではないか。

Apple Watchは24時間心拍数を計測できるガジェットだが、ここに自分が発したセリフ、人から聞いたセリフ、を24時間記録し、同時に言語モデルの強化を行う仕組みを作れば、それに近い環境が作れる。

もっと攻めて、自身の神経回路に大規模言語モデルニューラルネットワークを直接接続することができれば、言葉以外の情報~体の動かし方や体内の状態、なども時系列のある「言語」として入力することができるのだから、より自分と近いコピーが作れるに違いない。

機械化を進める

常にニューラルネットワークが接続された状態になれば、自分の意識体の一部がそこにある、または少なくともそう錯覚するほどの状態となっているだろう。そう私は思う。

テニスラケットにせよ、インターネットにせよ、使用しているうちにまるで自身の体の一部であると認知しはじめる。その究極が、機械との融合、義体化である。

生命の本質は、コピーして情報を伝えること。受精卵を出発に、細胞分裂を繰り返し、人が形作られるが、ここで細胞がしているのは自身がもっている情報を次の細胞に伝えること。自身が寿命を果たして死滅してしまっても、新しい細胞が自分と同じ役割を果たしてくれる。周囲の環境に応じて、自分の役割を認知し、機能する仕組みが伝搬されていく。時折、情報伝達に失敗して、記憶違いが生じることはあるが、そういったエラーも適度に補正、あるいは、改ざんしながら、一連の営みによって個が形成されていく。

人の細胞は常に生まれ、同時に死んでいく。その意味で、昨日の私はすでに死んでいて、今を生きる私がそこに生まれている。もし、接続されているニューラルネットワークを少しずつ増やしながら、リアルの細胞部分を少しずつ減らしていったらどんなことになるだろうか。気が付いたら、自分自身が生物側にあるのか、機械側にあるのか区別しづらくなるだろう。最終的に生物部分がゼロになった時点で、機械側が100%の魂を持つことになる。肉体は情報をそこにとどめておくための器。別の機械の器を用意してやりさえすれば、魂といえるものはそこに宿るのである。

最近、私はそのような思想を持っている。

AIの発展によって、生命の本質の理解が進み、さらには不老不死が実現する。私はそんな未来に期待している。